とりずんだノート

の日記帳

果てしなきスカーレットを観た!
友人に誘ってもらえなければ観ない作品だった(細田氏の作品は代表作のぼくらのウォーゲームやサマウォすら合わなかったため。唯一時かけのみ好き)から感謝だな

なまじスカーレットや聖、出てくるおじさん達のビジュアルに好感を持っており(作画的には楽しく観れており)、奇をてらわず劇場作品のシナリオフォーマットでやってくれればかなり好みのお話だったんだろうなと思うぶん、実際の作品としてお出しされたものにガッカリ来てるかな
台詞で全部言わせる所とぶつぎりで気持ちよくない演出やシナリオラインがダサダサダサ&野暮野暮野暮すぎて終盤苛立ちすら覚えた
作者の脳内で完結してるものが一見に分かるように出されてないから設定や台詞やキャラテンプレートの布石がしっかり繋がらず見づらすぎる
世界設定は個人的にそこまで重要視しないので甘く見るとしても、キャラの台詞がシナリオ進行上言わせたいものを言わせてるとしか感じない(序盤のスカーレットと聖の出会い〜打ち解けるあたりまでのやり取りヤバいよ…)ので、実績のある筈の作品からお出しされる素人制作感に困惑を覚える…

天上の階段をのぼるスカーレットの引きのカット、舞い上がる光とたゆたう空の海と手を伸ばして歩む姿勢で、比喩的に海面に浮上していく絵としてとても美しかったのに、その次の瞬間海面シーン!!今海越えてます!!境界超えてますよ!!の強調演出が挟まれて「それはわかってるよ野暮だなダサいな!!!!!!!」の心の声が出るのに耐えられなかった
ここが一番分かりやすく言語化できる野暮ダサシーンだけど、心の声を全部口にする興醒めの流れと(舞台っぽさというには舞台に失礼だしな…)ほんとに「絵の力信じてなさすぎないですか???」というシーンが多発する

聖の途中のある行動も王の顛末もスカーレットの生育歴と思想と現状の納得感も全然腑に落ちなかった…


良かった所
・スカーレットのビジュアルがとにかく目を惹く。引きでもアップでも視線が定まる強い存在感がある。
・聖の顔が良い。キャラバンでの描写(おじさん達の背中を拭いたり、老婆の手を揉んだり。こうして製作者の意図に気持ちよく乗れて気持ちよく好感抱ける時の快感たるや。あと、助けた理由を問われた時に聖が微笑を浮かべて無言で返事しないってのがすごく刺さったんだよね…。後は看護師である聖が生きたいと口に出して言えと言葉と意志の繋がりをしっかり知っているところ)
・スカーレットのダメージ描写が良い。(全体を通して苦難を与えるという意図よりもヘキ的なリョナ趣味が覗いている。個人的には汚水飲んで吐くところと、序盤のみぞおち突かれた時のダメージ描写は、男キャラのリョナ趣味しか持ってない自分もかなり揺らいだ。たまらん)
・対モブの戦闘描写のスピード感、生死をしのぎ一瞬の隙で勝敗を決する感じは見入った!!
・3Dモデルも2Dもアニメーションの質には満足出来る。(作画が良いだけに展開のぎこちなさが際立つ)


良い作品に言葉を尽くしてないのに合わない作品の感想ばかりつらつら書くの悲しくなってくるのでやめとこう
もし自分が監督ファンだったら絶望すると思うがそうではないのでまあ普通に凡作、リョナ要素の質が良かったので女キャラリョナ萌えがある場合はかなりオススメ出来ます

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