とりずんだノート

の日記帳

「君たちはどう生きるか(映画)」を14日の夜に観ました!
情報が溢れる現代のご時世、本編の内容が何もわからないまま観にいくのは早々出来ない貴重な体験で、それが味わえた価値はでかいよなーと思う。

鳥系の生き物カワイイ畳む補正をかけて最終的に55点って感じです!

ネタバレ有り

前情報無い理由が「未完成だから」だと思ってたのでラフ絵や線画だけを見せられる覚悟をしてたので、ちゃんと完成しててよかった!!(ハードルが低すぎる。)
風立ちぬが刺さったタイプのオタクだったが、今作は刺さらなかったな。

・一言で感想をいうと「ジブリアニメーション展覧会」であった。ひととおり「世界」をアニメとして描きたいのかな、という印象を受けた。ノルマのように多様なシーン、カットが出てくるし、
動物も人も自然も建物も現象も、あらゆるものが息づいて丁寧に豊かに動く。
体重が物にかかる時のたわみやきしみをこんな細かく美しく描くのはジブリくらいだと思うわ…。絵のクオリティ激高。おばあちゃんのメガネの度の描き方とか、泥に足が沈む表現とか、しゅごい…。
作中時代の当時の文化・服装の画の描き方が丁寧で、眺めてるだけで良いな〜て感情が胸に湧いてくる。
作画的な面は本当に200点の満足感だった。何より鳥の作画が素晴らしい。鳥っぽいものも本物の鳥もめっちゃかわいい〜LOVE。

・セキセイインコ、人の姿も元の姿も絶妙にコレジャナイデザインで似てないのに、所々仕草や動き方でめっちゃセキセイ!!ってなって、セキセイじゃないのにセキセイでかわいい!!ってなって良かった。お気に入りのシーンは1、2、3羽と身を乗り出し顔を覗かせるセキセイの三羽目のもふっと感と頭の可動感。あと肩に乗って毛繕いしてる終盤の子。
……いや、でも、全体的に体色がセキセイじゃなさすぎだろ笑。ピンクのは当然としても、緑と青もなんなんだあいつら。意図してるんだと思うけど。コレジャナイカワイイ。

・絵のリッチさを見せるためなのか別の意図なのかはわからないがカットの長回しとかテンポを削ぐような動作描写の長さも多かったと感じた。

・設定と本筋だけを箇条書きすればかなり王道な行きて帰りし物語なのに、だいぶ…平坦だったな…。
最初から最後までシチュ的に盛り上がる場面でも起伏が無いので意図的なものなのかと疑うレベル。
母を想い義理の母に距離を置くが旅路の中で…的な真人(追記:眞人だった…)の心を表現するのに、声的な演技が追いついてないと思う。絵の方ではきちんと眞人の複雑な揺らぎを魅せてくれてたと思うんだけど。
ジブリはキャラの心情の機微は得意としないと思うので、そこは求めてないが、ないけども、今まで以上に感情の動きがぶつぎりに感じた。どのキャラも「よくわからんなあ」が先に出てくる。

・積み木のくだりとか(世界生成が血によって受け継がれるのも踏まえると家族についての何かしらの暗喩も含まれているのだろう)、上と下の世界の変化の意味とか、なんかそれぞれ表面上以上の意味があるのかもしれんが、ベースの面白さポイントが低いので考察・妄想で面白さを高めようという意欲が沸かない。どうだろう、なんか監督のパーソナルな情報を得てたら面白いんかしら。全編長回しな淡白なテンポがストーリーのあらすじと合ってない気がするが…情報を踏まえれば覆るかなあ。

・鳥をこんなに全面に出した映画なのはマジで嬉しい。再三言うが、アオサギもペリカンもインコも可愛い。一方、餌場を失ったペリカンとか、愛玩動物が外に逃げ込んで繁殖してコミュニティを築いているところなんか、現実問題としてあるものなのだよな、と思うと悲しくなったりする。

・かなり虚無に近い印象を受ける映画だったが、アニメーションのお手本、画的なリッチさでは素晴らしいクオリティであると思う。
各山場で曲で展開を回すミュージカル映画みたいな構成にしたらエンタメ性高まりそうな感じのポテンシャルは感じる。
現状リピは無しかなー。なんか思考が変わったら違うかもだが。

・監督が変わっても変わらなくても、鳥をプッシュした映画もっと作ってほしい。楽しみにしてます!!畳む


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