とりずんだノート

の日記帳

映画『窓ぎわのトットちゃん』観た!
後世に残す為に丁寧に考えて手間をかけて作られているアニメなのだなと感じた。とても良かった!



作画が綺麗だった…!
一人一人の仕草の違い、泣き方の違い(顔の歪め方ももちろん、泣く時に顔がかあっと赤くなるの、すごい…)、指先のやわらかさ、温度、人物だけでも枚挙にいとまがない上に、戦前(という言い方も変だけども)〜戦中のレトロで鮮やかで魅力的な街並みと、ポスターや子供達の描く絵なんかで着実に観る側に圧を与えてくる、日常に溶けていく戦時の空気…。
途中の幻想パートとでもいうのか、絵画調のアニメーションも美しくて…視覚的に終始飽きないリッチな映像作品だった。

いや、トットちゃんはじめ子供達の動き方の『生』そのもの、って感じの活力溢れる描写が全編ずーっと続いててほんと良いんだよな。
トットちゃんの声優されてる子役の人、すげえよ。

小林校長先生、人格者にもほどがある…小林先生の存在が作中で柱みたいに安心できる象徴で 最後のギラギラした瞳に痛ましさと同時に大きく救われる所もあって…
トモエ学園の生徒達への接し方は身につまされるものがある
子供を、そして人を見守るというのは なんて難しいことなんだろうか…
こんな素晴らしい対応は未だ出来る気がしないけど、こうありたいと思う
子供達に委ね(ボットンのトットちゃんのエピソードと最後のトットちゃんのやりきった顔よ…)、のびのびとした姿を守ろうと苦心し、必要な時には声をかけて…急かさない、狭めない、そんな大人になれたらいいのに理想とは正反対だなあ…と自分を顧みてしまうな

いやしかし、戦争の描き方は胸に来たな…
作中で誰も口にしては戦争に対して不満は出ない、受け入れて生活が少しずつ変わっている
でも音楽や美術やトットちゃん父や小林先生なんかの大人達の振る舞いを通じて「絶対に戦争を肯定しない」という強い気持ちが伝わる
何の前触れなしに車掌さんが変わったところ「うあー……」ってなって結構きつくて刺さった

・実話じゃなかったらちょっと嫌な気持ちになるレベルで(実話で良かった。)やすあきくんのエピソードの全部が良すぎる…。
汚れた服を母が手にする所とズルだ!の所はズベズベに泣いた。相撲のシーンはアニメーションと声でどっちの気持ちも伝わってきてままならなくて辛い…。
やすあき君が取り零される世界、悲しすぎるよ…
・トットちゃんのパパが震える手でカップを手に取って一口コーヒーを飲んで、トットちゃん達に切り出すシーン、覚悟を飲み込む表現としてグッときたのだけど、スタッフロールで劇中歌で一日は一杯のコーヒーから(うろ覚えごめん)みたいな曲が使われてたの分かった瞬間、より心に刺さったな…。
・最後の妹あやすシーンのトットちゃんの少し大人びた顔つき、辛すぎる!成長がこんな辛いことあるか!!

書くたび作中の良いシーンが次々頭に浮かんで上手く書ききれない!
前情報ほとんど無しで行ったけどかなり良かったな……畳む


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